滲出性中耳炎について
滲出性中耳炎の原因や症状、治療についてわかりやすくまとめています。
原因
中耳の圧力を調節している耳管の働きが悪いと、中耳が陰圧になって鼓膜がひっこみ、中耳に水(浸出液)がたまってしまいます。小児は大人に比べて耳管の機能が悪く、滲出性中耳炎になりやすいです。
また急性中耳炎の不完全な治療、アレルギー性鼻炎、アデノイド増殖症なども、滲出性中耳炎の原因となります。
滲出性中耳炎の症状
耳がふさがった感じ、軽い耳痛、聞こえにくい、耳鳴りなどです。高い山に登ったり、エレベーターで急速に昇降したり、トンネルのなかに入ったとき、普通の人でも一時的に感じる症状です。
自分の声がわんわん響いて聞こえることもあります。
幼少児に多いため、学校検診で難聴を指摘されるまで気がつかなかったり、「テレビの音を大きくする」「呼んでも返事をしない」など、保護者が気づくこともあります。
滲出性中耳炎の治療
原因となる炎症やアレルギーなどに対して、抗炎症薬や抗アレルギー薬の投与を行います。鼻水や鼻づまりを伴う場合は、ネブライザーもおこないます。大人に対しては耳管通気といって鼻から中耳に空気を送る治療をします。治りが悪いときには、鼓膜切開をして水を抜くこともあります。
くりかえし水がたまる場合には、小さなチューブを鼓膜に留置して気圧を調節する治療もあります。ただし小児の場合は、安全を考慮すると全身麻酔でチューブ留置を行うことが好ましく、総合病院に紹介して入院の上、行います。また、小児でアデノイドや扁桃肥大が悪さをしている場合にはその手術をすることもあります。
気を付けること
鼻すすりをすると中耳が陰圧になり、滲出性中耳炎のリスクとなってしまいますので、鼻すすりをやめましょう。
滲出性中耳炎になっているときは、急性中耳炎にもなりやすく注意が必要です。耳の痛みや発熱が出現したら、早めに耳鼻咽喉科を受診してください。